オットケテンゴヤ?

韓ドラの話題90%以上(好みの合わない方ゴメンナサイ)

【韓ドラ】シスターズ/謎が謎を呼ぶ傑作!いったい誰が味方?

 サスペンス系の韓ドラは本当にレベルが高くて、「元・映画大好き高齢者男性」の僕が観ても、これまでに全く体験したことのないストーリーやどんでん返しを見せてくれる作品がとても多いです。

 まあそれはおそらく、作品のクオリティの高さの問題だけじゃなくて、僕個人の好き嫌いの問題ではあるとは思うものの、それでもサスペンス系韓ドラでメッチャ面白かった!!!って思ったのをサラッとあげてみるだけでも、こんなにある。

 ・99億の女 ・ボイス〜112の奇跡〜 ・秘密の森 ・誰も知らない ・悪の花

 ・サバイバー/60日間の大統領 ・ペーパーハウス・コリア ・シーシュポス

 どれもこれも死ぬまでにもう一回観てもいいと思うぐらい面白かったんですが、いやー、「シスターズ」、またまたこれ、本当に凄い作品でした!

※以下、ネタバレありません※

 

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たぶん本作は、巻き込まれ系サスペンスの最高峰

 古今東西、映画やドラマを問わずサスペンスの王道の一つに「巻き込まれ系」というジャンルがありまして、なんか知らないけど主人公がふとしたことから変な事件や陰謀に巻き込まれて、物語の「起承転結」の「転」にあたる部分で「巻き込まれた事件との意外な関連」が明らかになったりするわけです。

 で、主人公は戦う以外に選択肢がないので、ひたすら戦い続けて、最後にはヘトヘトになりながら勝利を収めるという、まあ「ダイハード」の1作めがその見事なテンプレートと言って良いかもしれません。

 それ以来、世界中でものすごく多くの「巻き込まれ系サスペンス」が生み出されまして、僕も嫌いじゃないのでけっこうたくさん見ましたが、本作『シスターズ』が、この「巻き込まれ系」の最高峰なんじゃないか、と思えるほど見ごたえがありました。

 なにしろ、ストーリー展開と、全体の構成が抜群。見れば見るほど、「いったい誰が味方で誰が敵なのか」がまったく分からなくなってきます。しかも、「ダイハード」的なテンプレは一切なし。なんなら、何に巻き込まれてるのかさえ解らなくなってくる!

 ストーリーの序盤で「こいつは敵」と確定できるのはほとんどただ一人だけで、あとはいったい誰がどんな損得勘定と利害でどんなことを考えて、本当は何が目的なのかがものすごく巧妙に隠されているんです。誰と誰がどうつながっているのも、とても巧妙に隠されています。

 最初はとても些細な小さなことからストーリーが始まるんですが、それがよくわからないうちにとても大きな陰謀のまっただ中に放り込まれた形となり、そしてあらゆることが謎となり、一つの謎が新たな謎を呼んでいくスタイルで進行します。

 本当に、誰と誰が信頼できるのか最後まで全くわからないんですが、バラバラに見えたパズルのピースが見事に最後はピタピタと収まって、物語が収束します。その展開とストーリー構成が本当に素晴らしい!

そもそも主人公、いったい何の陰謀に巻き込まれているのか分かってない

 主人公役のキム・ゴウンさん、僕は初めて見ましたが、さすがに演技上手ですねー!とんでもない陰謀と事件に巻き込まれて、彼女にとって命懸けの展開になっているにもかかわらず、彼女はおおむね困惑した表情を浮かべてストーリーが進んでいきます。その表情は、実は我々視聴者の表情でもあるわけで、ほんと見事にきれいに、観ている我々を徹底的に騙してくれます。

 彼女は、ある人物の自殺の真相を知りたいと願っただけなのに、いつしか信じられないほど壮大な渦に巻き込まれて、もうまったく身動きもできなくなり、もう誰が味方で誰が的なのかさえわからない状態がしばらく続くんですが、もちろん我々もそうなります。

 毎回毎回、エンディングで「マジかーーーーーーーーー! いや、マジか・・・・・・・!」の声が出ましたよ笑

 僕なんか、「結果的に最も害のなかった人間」にさえ疑いの目を向けてました笑

ラスボスの壊れ方が異常で怖い

 ラスボスは最終回になる前に「いやこの人相当おかしいよね」って気付けるような構成になっているんですが、ラスボスであることが明らかになってからの壊れっぷりがマジ怖かった!本当に演技が凄い!

 全体にストーリーが複雑でわかりにくかったという感想も目にしますが、実際にはそうでもなくて、ストーリーは簡単に言うと

 「三姉妹vsその他の登場人物全員」

という構図で、じゃあ「その他の登場人物」の中で味方は誰で敵は誰?みんな何考えてこんなことやってんの?ってところに焦点を当ててみてれば、そんなに分かりにくくはならないんじゃないかな?

 ただ、三姉妹が一致団結しているわけではないので、それぞれの思惑が絡み合って複雑に見える場面もありますが、「三姉妹と他の人」という構図で観てればおそらくわかりやすいスジじゃないかな、と思います。

画面構成もきれいで、まだ観てない人には是非オススメ

 サスペンスなので当然人が死ぬドラマなんですが、グロのきついシーンはあまりなくて、血が画面上にドバドバ溢れてたりもしません。それよりも画面の画作りがとてもきれいなシーンが多くて、作品の展開上、ゴージャスな装いをした女性もたくさん出てくるんですが、衣装はとてもきれいだと思いました。

 ・・・ただ、サスペンスなので当然全体のトーンとしては陰鬱なので、「うわーきれい♡」という心境で観られるわけではありませんが笑

 ツッコミどころもけっこうあるんですけどね。「韓国に警察はいないのか?」とかね笑 でも、そんなことが些細に思えるぐらい展開の完成度が高くて、没入感マックスで観られる作品でした。「イ・ドゥナ」とか「シーシュポス」みたいに最終回のもやもやもないですし笑

 イ・ドゥナの最終回については近々書きますね。あれは完全なハッピーエンドで、その証拠もいくつか提示されてるんです👍

★ドラマの得点 13点★(ドクター・プリズナーを10点としたときの評価です)

★こちらもご覧ください★【ネタバレ】シーシュポス最終回:謎解き完全解読