オットケテンゴヤ?

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【韓ドラ】ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え/ひたすら衝撃的に面白い

 どうでもいい話ですが僕はけっこうな高齢で、しかもこれまで映画がとても好きでアクションやサスペンスはかなりたくさん見てきたため、「サスペンス系」のドラマの採点はなんだか無意識のうちにシビアめになることが多いんです。

 が、しかし本作「ペーパーハウスコリア」は衝撃的に面白かった!

 韓国のサスペンスは本当にレベルが高くて、「悪の花」とか「Voice」とか、純粋に「今すぐ次見たい!!!!」になる作品が多いと思います。

 中でも「ペーパーハウスコリア」は、これまで見てきた韓ドラサスペンス系で一番好きかもしれません。※以下ネタバレありません。

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先の読めない展開の連続、毎回「えーーーーーー!マジか!!」で終わる

 本作の魅力は、キャラクター配置の見事さと、全編に渡ってスピード感のある衝撃的な展開、さらには主要キャラの人物もそこそこ掘り下げて描いているところ。そして何より、隠し玉のどんでん返しが実に巧みであることです。「どんでん返し」とは、つまりは見ている我々をいかにミスリードしていかに視聴者を騙すか、ということなんですけど、これは見事に気持ちよく騙され続けます。

 なので、確実に「えええええ!!!!!!マジで?????」が毎回持続します笑

 それを可能にするのはやはり、みなさん演技が抜群に上手なんですよ・・・!誰か一人でもその役になりきれてない人がいたりすると、とたんにドラマのリアリティってなくなってしまって没入感も激減するんですが、本作は韓国ドラマならではの演技のクオリティの高さが素晴らしい!

 強盗団のリーダーの知的でクールな感じ、対する捜査の陣頭指揮を取る交渉人との緊張感あふれる対峙、そして強盗団の面々も役者が揃っていて、直情的なタフガイ・力持ち・超クールで強い(けど美人)の女、謎が多すぎる現場のボス役、天才ハッカーなどなど、それぞれキャラの配置も抜群なんですよね。人質の中にも、自分の事だけしか考えない人間のクズとか、逆にストックホルム症候群になりそうな人、あるいはいつも何かを企もうとする美少女(そして彼女は米国大使の娘)などなど、とにかく登場人物全員がキャラ立ちしてて、なかなか複雑な筋立てなのに、ドラマの進行がとてもすっと入ってきます。

 そして、強盗団も人質も、当然のようにそれぞれ仲間割れもするし笑

 そうなると、いったい誰を信じて誰とどう行動するか、という問題も生じてきて、それは果たして計画全体の実現にとってどうなんだ、というより高次の問題も発生してしまう。いろいろ小さな計画の狂い、想定外の出来事を、リーダーの「教授」はいったいどう修正していくのかも見どころ。

 「人質は絶対に殺さない、一人も犠牲を出さない」というコンセプトで開始された造幣局への立てこもりは、はたしてどう展開していくのか・・・!手に汗握るとはまさにこのことで、手汗かきます、本当に笑

いわゆる密室の舞台設定なんだけど、「教授」が外にいるため動きがある

 物語の大半が「立てこもっている造幣局の中」で進んでいくので基本的には密室劇っぽくなるんですが、リーダー役の「教授」が実は外部から指示を出していることで、動きと展開があって物語に大きなメリハリがつく構成となっています。

 密室劇の場合、映画「レザボア・ドッグス」のように、密室にいる人々の人間関係がどうしようもなく煮詰まっていくものですが、本作はそのあたりの描き方も抜群。その煮詰まっていく人間関係も見ていて絶望的な感じになってきますし、いったいどーすんのこれ??ってなってきます。

 その密室劇パートももちろん極上なんですが、外でリーダーの「教授」が動いて問題の収拾にあたる動きも、ハラハラドキドキ。

 「よく練られた強盗計画」的なプロットとしては、映画の「オーシャンズ」シリーズが思い出されますが、「オーシャンズ」は超クールな二枚目スターたちが超クールな顔して超クールにミッションを完璧にこなしてく・・・みたいな感じなんですが、本作はそれとは真逆。超人間臭い強盗団たちが、なんかみんなアツくなったり怒ったり泣いたりしながら、想定外の事態を激しく積み重ねていく。それを外部にいて修復しようとする教授も必死で、もうとにかく毎回ギリギリなんですよ。

 面白くないわけないよね笑

 とにかく、クライム系サスペンスだから「強盗団」が主役なんですが、最後の最後まで「これ強盗団が勝つの?それとも捜査陣の勝利?」ということすら読めなくて、本当にラストまでノンストップで楽しめます。

とにかくね、第1話のラスト約17分がもう衝撃的ですから

 本作はよく知られている通り、スペインの大人気ドラマ「ペーパーハウス」の韓国版リメイクですね。僕は韓国版を見た後にスペイン版を見始めましたが、韓国版のほうが遥かにテンポが良いしキャラ立ちしてるしで、スペイン版は途中離脱となりました。(スペイン版トーキョーのキャストがそれほど僕には魅力的ではなかったのもある・笑)

 そして韓国版の第1話のラスト17分ぐらいがもういきなり衝撃的!これでもう一気にドラマの世界に引きずり込まれます。「ええええーー!!」じゃなくて、「おわーーーーー!!!!!!」と声が出る驚きの展開笑

 ここの部分、本家のスペイン版では設定的にそれほどのインパクトがなくて、なんとなくスルッと通り過ぎてしまう感じに作られていて、やはり韓国ドラマはメリハリのつけ方が抜群に上手いよね、と感じ入った次第です。

 あと本作の魅力としては、真っ赤なコスチュームとお面ですね。このあたりの舞台設定が非常に上手なんですが、これは本国スペイン版の企画立てた人が素晴らしかった。人質にもまったく同じ格好をさせるので、警察はおいそれと突入ができなくなって、膠着状態へと突き進んでしまうわけです。

 膠着状態は教授の計画の一番のキモで、さて強盗団は造幣局に立てこもって何をしてるんでしょうか?

 強盗団はそれぞれを世界の都市の地名で呼び合うところも舞台設定として面白いですよね。これも本国スペイン版どおりで、これはアイディアが素晴らしかった!

 でね、個人的にはトーキョーを演じたチョン・ジョンソさんが、まあなにしろ美しい!すげー美しい!あと、ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜/ドラマのリアリティとは? でも書きましたが、後半重要な役どころで出てくるイム・ジヨンさんが凄い!彼女が画面にいると、全部持ってっちゃいます。きれいだし、なにしろ顔が凄いのよ笑

 

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★ドラマの得点 12点★(ドクター・プリズナーを10点としたときの評価です)

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