オットケテンゴヤ?

韓ドラの話題90%以上(好みの合わない方ゴメンナサイ)

コミュニケーションの本質を考える/人は見た目が何割か?

 ものすごくシュールで、象徴的な夢を見た。

 なにかのYouTubeチャンネル的な動画を見ているのだが、画面に出ている男は上半身裸で亀甲縛りのようにされており、唯一自由のきく右手で自分の乳首をもてあそんでいる。そしてその状態で何かを喋っているのだが、耳を凝らすと、それは政治に関する話だった。話の内容は驚くべきことに実にまっとうなもので、現在社会の問題の本質を端的にえぐった、素晴らしい内容だったのだ。堕落しきった現代の政治をどこから改革していくべきかも明快に語っていて、内容は極めて示唆に富んだものであった。

 しかしその男は、そんな話をしながら、亀甲縛りにされていて、右手で自分の乳首をもてあそんでいるのである。

 次に、これまた亀甲縛りにされた上半身裸の女性が現れて、彼の隣におもむろに座った。少しだらしなく太った女性で、肉がはみ出している。彼はなんのためらいもなく、右手を彼女の乳房の方へと伸ばし、当然のシナリオであるかのように彼女の乳首をもてあそび始めた。

 そして2人はなにか対談を始めたのだが、その内容はなんと、現在の自民党政治の根本的な問題点を鋭く浮き彫りにする内容だった。どのようにすれば政権交代が可能なのかも、明快に、筋道立てて語っていたのである。

 ここで目が覚めた。夢は言語化すると長いが、イメージの積み重ねとして見ているので、実際この夢を見ていたのは一瞬だと思う。しかし一体なんなんだこの夢。

 

 さてそれで、いかに素晴らしい内容を語っていようが、それがどれほど示唆に富んだ話であろうが、亀甲縛りにされて乳首をもてあそびながら話しているような男の話を、いったいだれが真に受けるだろうか。

 たぶん、50%以上の人は、見た瞬間に拒絶反応を起こして、まずそもそも彼の主張に耳を傾けないだろう。残りの50%近くの人は、こんなふしだらで馬鹿で不道徳な奴らの言うことなんか間違ってるに決まってる、と、話の内容にかかわらず決めつけるだろう。

 逆に、彼らの主張を正しく理解し、その発言の「内容」と「意図」だけをしっかりと聞き取り、それを正しく分析・評価をした上で「いや、彼らは亀甲縛りで乳首をもてあそんではいるが、言ってる内容は極めて素晴らしい」と発言する人間がもし現れたら、どうなるだろうか。その答えは簡単だ。その人物も、「亀甲縛りで乳首をもてあそんでる人の言うことを聞くなんて変態なんですね」とひとくくりにされてしまって、一瞬で終わってしまうだろう。

 まあ、おそらくこれがコミュニケーションの本質ですよね。

 言語によらないコミュニケーションを「ノンバーバルコミュニケーション」といって、ある有名な調査では、人と人が対面で会話をしているとき、純粋に「言語」だけから受け取るメッセージは、わずか7%程度に過ぎないらしい。その他は、身振り手振りや表情や、もちろん2人の関係性や、そこから派生する2人の距離感や声のイントネーションなどから膨大な量の情報を受け取っているのだ。その、「言葉じゃないもの」がノンバーバルコミュニケーションで、「非言語コミュニケーション」とも言われる。

 たとえば、「ばかやろう」という言葉。

 これは「ばかやろう」だけでは実際のところ、その言葉が良いのか悪いのか、評価はできない。ある程度のシチュエーションがあって初めて、この言葉を評価することができる。例えば、政治家が記者会見で記者に対して言い放った「ばかやろう」と、大泉洋チームナックスの仲間に対して言う「ばかやろう」では、まったく言葉の表情が変わってくるでしょ?つまり、「言語」だけで人はコミュニケーションを取っているわけではない、ということなのだ。当たり前ではあるけれども、SNS全盛の今、これは意外と忘れられがちなことだと思う。

 

 上記の夢の場合、ほとんどすべての人が、「亀甲縛りにされて乳首をもてあそんでいる」という壮絶な非言語コミュニケーションから、圧倒的な情報を得るだろう。したがって、話の内容に関しては、詳細に検討する前から「到底信用するに足るものではない」と決めつけてしまう。

 

 この話から得られる教訓は、「ちゃんとしたことを話しているときは、亀甲縛りにされていたり乳首をもてあそんだりするのはよくない」ということでももちろんあるんだけど、もっと更に重要な教訓がある。

 

 それは、「逆に言うと、詐欺師は常にスマートで賢そうにして勇ましい」ということだ。

 とくに、いつも断言する人間には注意したほうが良い。物事を断言するという手法は、「自分はこの話題に関して全てを見通している」というメッセージを強く持った非言語的コミュニケーションであり、併せて「反対意見を言うやつはバカである、勉強不足である」ということを強く示唆しうる非言語的コミュニケーションだからだ。つまり、「断言」調の話し方を多用する人は、「自分は強くて賢く、とてもスマートだ」というメッセージを、相手に強く印象づけたい場合が多い。それを意識的にやってるなら詐欺師に近いし、逆に無意識にやってるならば、信じられないほど支配欲が強いのか、あるいは何かの強いコンプレックスの裏返しなのか、どちらかではないだろうか。

 そして、必ず一定の数の人間がその「断言する人」に騙されてしまう、ということになる。とくに、自分の頭で考える習慣のない人たちは、断言を多用する人をうっかり信じ込んでしまう。断言を多用する側としては、その効果を知っている程度には頭が良いので、危険である。(・・・なんか、娘の住む自治体の首長を思い出してしまった笑)

 みんなそろそろ、「ノンバーバルコミュニケーション」だけじゃなくて、もっと「言葉の内容」に対して真剣に向き合うときが来てるんじゃないかな。人は言葉によって生きる動物だから、往々にして真実は「言葉」の中にあるのだ。

 これからの時代、よくよく自分の頭で考える習慣をつけないと、生き残っていくのが難しいかもしれないよ?

 

 

【ペーパーハウスコリア】からの【その恋、断固お断りします】からの【バレリーナ】

 韓ドラを見始めてから、完走したドラマが約50本、途中離脱となってしまったのがだいたい10本前後。これぐらい見ていると、当然いろんな俳優さんと出会うわけでして、「この人が出てるなら見てみたい」と思う役者さんも何人か出てきます。

 で、経験上、役者さんを追っていくと、結論としては「まあだいたい、面白い作品の場合が多い」かな?

 これまでの僕の韓ドラ歴で最高の循環は、

 ①「サバイバー/60日間の大統領」に出ていたソン・ソックを見たくて ➡

 ②「私の解放日誌」を見たら意外にイ・ミンギが良くて ➡

 ③「この恋は初めてだから」を見たらチョン・ソミンさんずいぶんが可愛くて ➡

 ④「環魂」を見たらもう最高すぎて、とくにコ・ユンジョンさん美しすぎるので ➡

 ⑤「ムービング」を見たら、史上最高のドラマに出会ってしまう

 という流れが、これまででなにしろ最強です。こうして書いてみると、「サバイバー60日間の大統領」でソン・ソックにハマってなければ、もしかして「ムービング」にたどり着いてなかった可能性もあるわけで、こういうつながりは面白いですよね。

 しかも「ムービング」は、本当言うと待ちに待った「キムサブ/シーズン3」を見たくてDisney+に加入したんですが、キムサブ3を見終わった後に「まだ契約期間残ってるから暇つぶしで見てみるか、コ・ユンジョンさんも出てるし」程度の気軽さで見始めたら史上最高傑作クラスだった、というオチで、作品との縁はなかなか面白いもんです。

 なお、「ムービング」の後は当然、リュ・スンリョンさんの「タッカンジョン」予定です笑 (ソン・ソックの「殺人者のパラドックスも早く見たい!)

「ペーパーハウスコリア」からの「その恋、断固お断りします」

 最近比較的時間に余裕があるので、チョン・ジョンソさんがどうしてももう一度見たくて「ペーパーハウス・コリア」をもう一度、最初から最後まで見てしまいました。

 いやー、2回目なのに相変わらず面白い!ディテールは当然忘れてるから、再度見てもぐいぐいと引き込まれて、本当に面白い!・・・で、今回2回目で改めて気付いたんですけど、チョン・ジョンソさんのトーキョーがクールすぎてもちろん最高なんですが、 デンバーのキム・ジフンさんとユン・ミソン(ストックホルム)役のイ・ジュビンさんも、そうとう素晴らしい演技だったわけですねー。(1回目に見たときは、演技的にはとにかくベルリンのパク・ヘスさんに圧倒されるから、トーキョーとベルリンの印象が強い)

 で、今回、キム・ジフンさんとイ・ジュビンさんを追って、「その恋、断固お断りします」に手を伸ばすという・・・笑 全然見る気なかったのに笑

 まあ、ドラマとしてはまあまあ面白くて、世界観も好きだったし流れも良かったし、わりと好きなドラマだったんですが、やっぱりペーパーハウスコリアのファンとしては、「あー、デンバーとミソン!」と思って見るわけですね笑 こういうのは、楽しい笑

 で、「その恋、断固お断りします」では、2人は相容れない立場で出てきて、キム・ジフンさんは別の女の子を抱きしめるわけです笑 ミソンも別の男が好きなわけです笑 楽しい笑

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 「その恋、断固お断りします」は、第一話の開始10分ぐらいで上記のような腐女子の脳みそ直撃シーンがあって、んーなんか俺ターゲットじゃないかもなー?・・・と思いながら見たんですが、でもまあまあ面白かった笑

「ペーパーハウスコリア」からの、映画「バレリーナ

 とにかく「ペーパーハウスコリア」が好きすぎて、しかもその50%ぐらいはチョン・ジョンソさんの信じられないような美しさに理由があるわけでして笑、映画「バレリーナ」を見てみました。ほぼ何も前情報なしに見始めたんですが、いやー、キム・ジフン氏、また出てましたねー!!!知らないで見たからすごく得した感じ!

 しかもこの映画、主役がトーキョーでデンバーがその敵役!で、なんと!ナイロビまで出てる!!

 で、(以下2行ネタバレ全開ご注意)映画としてはなんとなんと、トーキョーがナイロビから違法な銃と武器を買ってデンバーを焼き殺すという映画でした!!!笑

 ペーパーハウスコリアファンとしては、もう、そういうふうにしか見れないのよ笑 とても楽しい笑 まあ、映画自体は「チョン・ジョンソ最高!」という映画で、特になんて言うこともない復讐劇なんですけど、復讐されるのがデンバーなので、もうとにかく楽しいの一言笑(画面は凄惨だけどね、殺人シーンが多いから)

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「ペーパーハウスコリア」ファンにしかわからない、お遊びのセリフ

 「その恋、断固お断りします」では、キム・ジフンとイ・ジュビン(つまりデンバーとミソン)のファーストコンタクトで、「こんなに早く再会できるとは思ってなかったよ」と、デンバーがミソンに言うんです。

 そして、映画バレリーナでは、キム・ジフンとチョン・ジョンソ(つまりデンバーとトーキョー)の初対面シーンで、キム・ジフンがいきなり「久しぶりだな、元気だったか」みたいなことを言います。実際は、映画の中ではまったく初対面のシーンなんですけどね。

 まあ、こういうの、「ペーパーハウスコリア」へのちょっと変化球のオマージュと言うか、ペーパーハウスコリアのファンへのサービスと言うか、そんなふうに解釈したくなるのもまた楽しいわけです。(発表された年だけを見ると、ペーパーハウスコリアが2022年で、その恋、断固お断りしますもバレリーナも2023年なので、普通に考えれば撮影の時系列もそのとおりなのではないかと推測します)

 で、僕としては「ペーパーハウスコリア」からミソン役のイ・ジュビンさんを追って「その恋、断固お断りします」へ飛び、さらに「ペーパーハウスコリア」からチョン・ジョンソを追って「バレリーナ」へ飛んだんですが、行った先々でキム・ジフンが待っていて、ファーストタッチで意味深なセリフを言う、という面白い経験をしたわけでした笑

 キム・ジフンさん、とてもいい俳優さんです!上記3作とも、全部同じヘアスタイルで同じ顔で出てるんですけど、ほんとそれぞれ見事に役どころを演じきってました。もうたぶん、「キム・ジフンが出てれば面白い可能性高い」認定しても良いんじゃないかな?

 そして結論としては、チョン・ジョンソさんはたぶん現存する人類で最も美しいな笑 まったく起承転結無視したカプチャギな結論ですけど笑

 

 

 

【韓ドラ】彼女はキレイだった/王道の中の王道、名作ラブコメ

 2015年の作品、『彼女はキレイだった』を観ました。全然知らなかったんですが、放映時の視聴率がなかなかのもので、受賞歴もたくさんあって、しかも日本と中国でリメイクされた人気作なんですね。日本版は小芝風花ちゃんがやってるらしいんで、一瞬そっちを見ようかとも思ったんですが、日本版がオリジナル韓国版のクオリティを超えるとはちょっと思えなかったのでやはりオリジナル版で観ました。(もちろん、実際はほぼ迷いなし・笑)

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人間の「美しい面」だけを切り取って描いた、名作ラブコメ

 本作は、観た人なら分かると思いますが、とてもわかりやすく言うと「ご都合主義・ラブコメテンプレ全部盛りスペシャル」みたいな作品で、もう本当にツッコミどころ満載だし、主演女優やや演技過剰だし、またその設定??みたいなところいっぱいあるんですけど、それでいてストレートにすごく面白い、しかも超癒やされて幸せな気分になれる名作です。見終わった後に「あーよかったー!」ってこれほどストレートに幸せに浸れる作品もなかなか少ないのでは?

 それはなぜなら、登場人物の中に、「他人を陥れよう」とか「なるべく汚い手を使おう」という悪人が一人もいない 登場人物がそれぞれのポジションで、みんなひたむきに一生懸命頑張る いさかいが起こっても、ちゃんとコミュニケーションで(泣きながらでも)解決しようとする いさかいは、とにかくみんなが「全力」「自分に正直」であるがゆえに起こる種類のものばかり 登場人物がとにかくたくさん泣く 登場人物がみんな、困難に正面から立ち向かおうとする 人生に訪れる「不幸」と「幸せ」の量は同じだというメッセージがあって、みんなが人生の辛いところを超えていこうとする ・・・という、本当に「人間の美しいところ」だけをじっくり丁寧に掘り下げて描いて、なおかつ、それらをコメディタッチの軽い味付けで描いているから、テンプレ全部盛りなのに面白いんですよね。しかも、「えー??そうだったの?」という意外性もちょっとありで、これらを全部盛り込んでいながらなおかつ物語として見やすさを最後まで損なうことなく、完成度の高い作品だと思いました。

2015年の時点でこんなにテンプレが確立されてる笑

 僕はそもそも韓ドラ視聴がまだトータル50作前後の中級者で、しかもその中でもジャンルとしては「ラブコメ」がいちばん視聴数少ないので、いわゆる「ラブコメの黄金テンプレ」がいつのどの作品から確立されてきたのかって分からないんです。本作は今から9年前の作品でもあり、そうしたテンプレのかなり初期にあたるんでしょうかね?それとも本作制作時点で、すでに確立されたテンプレだったんでしょうか?

 まあそのあたりはわからないんですが、ラブコメ視聴数少なめの僕でさえ「またこれ?笑」と笑ったあからさまなテンプレを列挙してみますと・・・

 ①超絶イケメンで仕事完璧な男子と、ごくごく普通の女の子設定の組み合わせ

 ②イケメンは普段の顔は超クール、でも笑うと可愛くてデレデレ

 ③出会いは最悪・・・からの徐々に距離を詰めていって少しづつ理解し合う

 ④イケメンが「子供の頃の雨の日の事故」にトラウマを持っている率、高すぎ

 ⑤主人公の女の子には、超美人の友だちがいる

 ⑥その美人友達に、身代わりデートに行ってもらう率、高い

 ⑦かなりしばらくの間、イケメンは主人公の女子をウザいと思ってる

 ⑧しかしイケメンはある時ふと自分の恋心に気づいて、あっさりそれを受け入れる

 ⑨イケメンはストレートに恋心を伝えるが、ややしばらく女の子は受け入れない

 ⑩その場合、「好きなのに受け入れられない」各種事情がある

 ⑪ツーショットのとき、画角の中の2人の立ち位置が、心理的な距離を表している

 ⑫2人で海に行きがち

 ⑬サービスカットとして、イケメンのシャワーシーン(上半身裸)あり

 ⑭ラストからちょっと前に、2人はいったん離れ離れになる

 ⑮最終的には、「イケメンが普通の女の子に熱烈に恋をする」ところに収まる

 ⑯ちょっとだけバッドエンドの予感を抱かせながら、ハッピーエンドになる

 ・・・と、思いつくだけ書いてみてもこんなにある笑 別にメモを取りながらドラマを見てるわけじゃないので、細かく見ていけばもっとあるかもしれませんね。

 そしてこのテンプレ列挙しててよーーーく分かりましたが、僕高齢者男性は、こうしたラブコメのターゲットではないですね、明らかに笑

恋と、仕事と、人との出会いや別れを通して成長する姿に共感

 本作、タイトルが「彼女はキレイだった」と過去形で、あたかも今はキレイではないかのようなタイトルですし、ネトフリの紹介文でも「才色兼備のお嬢様だった少女時代から外見が180度変わってしまった彼女と、完璧な男に生まれ変わった彼。」というコピーで、サイトによっては「残念な見た目に成長してしまった彼女」みたいな表現もあったりするんですが、しかしそんな「ルッキズム」由来の話じゃないんですよね。

 だって、大人になった彼女はクリクリの髪の毛でソバカスたくさんで赤ら顔・・・みたいな「ブサイクメイク」なんですけど、いやいや、普通に、人としてとてもかわいい人なんですよ。登場人物の中にも、その点をいち早く見抜いてた人、いるじゃないですか。だから別に「美少女が成長したら残念な外見になった」わけじゃなくて、彼女が「自分に対して全く自信を持てない」という大人に成長してしまった、というだけなんですよね。

 そんな彼女が、「恋と、仕事と、人との出会いや別れを通して成長していき、とまどいながらも自信を持って、新しい自分への第一歩を踏み出していく」というのが本作のいちばんの筋なので、それが脚本完璧で演出完璧な場合、面白いに決まってるじゃないですか。

 そして本作では、他の登場人物もとても丁寧に描かれていて、みんながそれぞれ、最後には「新しい人生の一歩」を踏み出す形で終わります。それはやはり、とても素晴らしい瞬間だと思いましたし、とても丁寧に作られているな、という感じです。

 ツッコミどころもたくさんあるんですけどね笑 中でも、クルクルの髪をストパーで伸ばしてヘアスタイル変えて、メイクでソバカス全部消して美人に変身しました・・・ってなってからの主人公、もうほとんどアイデンティティの喪失で、「あれ?あなた誰?」っていうぐらい見た目違うんだけど笑

 まあ、最後にクルクル髪に戻ってソバカス全開のメイクで「素の自分」に戻って新しい人生に踏み出す、という形なので、ラストすごい良かったです。

 あとね、個人的にはシン・ヘソンさんがドライブでトイレに行くシーンがツボでしたねー笑 全編通してあの場面がいちばん笑った! もう一つちょっとだけ思ったのが、本作と各種設定が酷似してる『社内お見合い』の主人公の名前が「シン・ハリ」で、本作の主人公の親友の名前が「ミン・ハリ」なのは、社内お見合い側から本作へのオマージュなのかな・・・と。ま、考え過ぎかもしれないけど。

 

★ドラマの得点 11点★(ドクター・プリズナーを10点としたときの評価です)

★こちらもご覧ください★【ネタバレ】シーシュポス最終回:謎解き完全解読

 

マーゴット・ロビーの謎/21世紀なのになぜこんなことが?

 この記事を書くにあたってあらかじめ旗色を鮮明にしておきたいんですが、まず最初に、私は英語を話せません。とはいえ高校・大学の頃は英語が得意で、だいたい学年でも1番か2番でしたが、こんな私でもその後一切英語を使う機会が人生においてなかったため、残念ながら錆びゆく一方です。

 と、そんな「英語を喋れない人」の意見ではありますが、、、。

マーゴット・ロビー」なわけないじゃん?

 映画「バービー」の主演女優で、いやまハリウッドを代表する人気女優と言っても良いマーゴット・ロビーさんっているじゃないですか。英語で書くと、Margot Robbieさん。僕が言いたいのは、「いや、彼女『マーゴット』さんじゃなくて『マーゴ』さんですよね?」なんです。・・・名前の最後の「t」は、サイレントですよね?

 だって本人が「ハイ、アイム マーゴ・ロビー」って言ってんのに・・・笑

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 次の動画では、マーゴ・ロビーとシアーシャ・ローナンが2人で出ていて、最初に自己紹介でふざけて、シアーシャ・ローナン「ハイ、アイム マーゴ・ロビー」って言ってます。

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 ついでに書いておくと、「シアーシャ・ローナン」という表記もどっちかって言うと本人の発音に忠実ではなくて、本人の発音にいちばん忠実にカタカナ表記をすると、たぶん「サーシャ」か「セーシャ」じゃないかな、と思えます。とくに、「ア」は絶対に発音してないのでは?

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 シアーシャ・ローナンの綴りはSaoirse Ronanで、カタカナで「サーシャ」と書いてしまうと、スペルに入っている「r」が全く表現できないので、たぶんご本人としては「私はサーシャじゃない」ってなるのかもしれません。・・でも、2人の発音聞いてても、どう聞いても「シーシャ」とは言ってないので、「私はシーシャじゃなくてサーシャでもないけど、発音難しいんならまあサーシャでしょうがないです」的なことを思うんじゃないかな?笑

 実際、上の2つ目の動画で「私の名前の発音はアイルランド式にサーシャなんだけど、その発音が難しい英語圏の人はサーシャもしくはサーシャでも大丈夫」的な発言してます。日本人にはこの3つの「サーシャ」、ほとんど違いが聞き取れません。それはたぶん「r」の扱いと、「aoir」の部分の発音なんじゃないかと思います。

 しかし、21世紀にもなって、こんなに英語が喋れる人がいっぱいいるのに、相変わらず「マーゴット・ロビー」の表記をやめないのはいったいなぜ????マーゴットさんじゃなくて明らかにマーゴさんなのに・・・・・・

 誰かこのアホみたいな表記、そろそろやめようって声あげてくれないかな?

昔々、ゲーテも「ギョエテ」だった笑

 文豪ゲーテも、日本に紹介されたはじめは「ギョエテ」と表記されたらしいです。ドイツ語でのスペルがGoethe当時の有名な川柳に、「ギョエテとは 俺のことかと ゲーテ言い」というのがあるそうですが、ちょっと調べてみたらこの川柳が初めて活字となってでてきたのは1969年のことらしいです。

 そして1969年から55年経過した今でも、無事にめでたく「マーゴットとは 私のことかと マーゴ言い」という状況が成立している日本の英語教育、ほんとどうにかならんもんでしょうか??

テニス界で有名な話 エレナ・ドキッチ選手は自ら訂正を申し出た

 2000年台の初頭に、自己最高ランク世界4位をマークしたことのあるエレナ・ドキッチというWTA(女子)のプロテニス選手がいました。かわいい顔をしてたので応援したんですが笑、彼女は当初日本で紹介されたときに、「ドキッチ」ではなくて「ドキック」と発音・表記されていたんですよね。なぜなら彼女の名前のスペルが「Jelena Dokić」。この、姓の最後の文字「ć」が「c」と英語のアルファベット表記で紹介されていたので、日本のメディアはなんのためらいもなく「ドキック」と呼んでいたわけです。

 で、ある日、「ご本人から私はドキックという名前ではなくてドキッチという名前だ、というお申し出がございましたので、これからは『ドキッチ』でメディアも統一することとなりました」ってテニス中継のアナウンサーが発表して、それから彼女はめでたく「ドキッチ」さんとして日本でも認知されたわけです。

 本人から申し出ないとやらないんすか???笑

 現在でも、表記のおかしなテニス選手いるんっすよ。

 僕が激推ししてて大好きなカロリナ・ムチョバという選手がいるんですが、この方はチェコの選手で、スペルはKarolína Muchováと書きます。カロリナの方は良いんですが、問題は「ムチョバ」!! 「cho」の部分を「チョ」って発音してるんですが、ご本人はなんかの動画で「ハイ、アイム カロリナ ムコバ」って言ってます。で、僕はインターネットでテニスの海外の試合もものすごくたくさん視聴するんですが、テニスの審判もどこの国の人だろうが、100%「ムコバ」と発音してます。より正確に言うと、「Muchová」の前半部分が「Muc」が「ムク」で、後半部分の「hová」が「ホバ」っぽくて、つなげて言うと「ムクホバ」っぽくなるんですが、「クホ」の部分が日本みたいに「子音+母音」で発音されないので、「コ」に聞こえる、という感じです。

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日本語には「子音で終わる」発音がないという特殊さ

 日本語はどの音も「子音+母音」という形で構成されていて、「ん」意外はすべてこの発音になっています。ここが多くの外国語と決定的に違うところで、つまりは「子音」で終わるときの単語を日本人の耳はとても聞き取りにくいですし、それを表記する方法もない、というのが難しいところ。

 上で書いた「サーシャ・ローナン」も、正しくは「サーrシャ・ローナン」って感じなんですが、こうなると、ほぼどう読んでいいかわからないという・・・

 「4」を英語で言ったときの「four」も、「フォー」じゃないですからね。どっちかって言うと、「フォーr」って書きたいぐらい。「You're welcome」も「ユーアーウェルカム」なんて全然発音と違いますもんね。あえて書くなら「ヨーr ウェルカm」・・・やっぱりどう読んでいいかわからない笑

 なんかこの、「子音で終わる発音」の表記方法考えないと、日本人っていつまでたっても英語苦手な人多いままな気がします。

 まあそれにしても、マーゴット・ロビーは明らかに誤表記だと思いますけどね笑 なぜなら、再度書きますが、ご本人が「ハイ アイム マーゴ・ロビー」って言ってますから笑

 ちなみに、もうすぐ3歳になる孫にこの冬会ったとき、ネイティブの先生がいる英会話スクールに時々遊びに行ってるらしくて、「four」も「You're welcome」もメッチャきれいなネイティブ発音で言えてましたねー・・・ウェルカムも最後の「me」の部分、明らかに「ム」じゃなくて、唇をつけたまま鼻から息を軽く抜く発音ができてました。

 まだ日本語だってたどたどしいのに笑

 やっぱ、2歳の頃から始めないとダメなのね。スティーブン・ピンカー『言語を生みだす本能 』っていう著作でそんな趣旨のこと書いてますけど。

 

 

 

ネタバレ【韓ドラ】シーシュポス最終回に見る素晴らしいメッセージ

 先日『【笑える?】全くダメな人列伝①/そりゃないよ、候補者さん・・・』というエントリーを書いた後にふと思ったんですが、彼は僕の取材に対して「え?政策??そんなものだいたいでいいよ」という発言をなさったわけです。

 これは、このあとすぐ都内の区議会議員に立候補する新人候補者としては「致命的」なことであるように僕には思えたわけですが、しかし彼は、嘘はついてないんだよね・・・笑 僕に対して、明らかに「政策なんか何もない、中身のまったくない政治家ですけど??」という率直なメッセージを送ってはきたものの、嘘は一言も言ってない。

 これね、昨今の「口を開けばだいたい嘘」の政治家さんたちと比べて、どっちがマシなのかな・・・?笑 いやしかし、中身ゼロの薄っぺらな政治家と、嘘つきの政治家どっちがいいかって、究極の選択すぎてどっちも選びたくないよね笑

最近、「言葉」を人をぶん殴るための道具と勘違いしてる人多くない?

 人は言葉によって生きる動物なので、言葉って本当に大切にしたほうが良いですよ。これはコピーライターとして30年ぐらい「言葉」を組み立てる仕事をしてきた立場から、本当にそう思います。

 SNSだと、「相手の顔が見えない&自分の顔も見られてない&しかも匿名」という条件が揃っているため、「言葉」を「相手をぶん殴るための道具」として使うための心理的ハードルがぐぐっと下がります。

 生身の人間を相手にして、SNSの調子で「言葉で人をぶん殴ろう」とすると、こっちもバクバク動悸がするし、向こうから言い返されたときも血圧急上昇するし、そうそう簡単ではないですよね。でもSNSは、旧ツイッターとか見てると、ほんとになんかひどいよね・・・「対人関係」が、「相手を攻撃する」ことによってしか形成できないのか、と思えるような人がいっぱい・・・

 相手に対して常に攻撃的でありたい、常にマウントを取りたい、という発想を続けてると、人相悪くなりますよ笑

 嘘をつこうとか、なるべく騙そうとか、なるべく人を蹴落とそうとか、そういうこと考えてばかりでも人相悪くなる笑

 その点、例の区議会議員は「写真写り素晴らしくてトップ当選!」と書きましたが、実際に嘘つかない人なので(馬鹿だけど)、人相悪くならずに済んだのかも??笑

韓ドラ/シーシュポス最終回の温かいメッセージに学ぼう

 シーシュポス最終回は、まるでわざとのようにとても分かりにくい構成で作られてるので、あの最終回に込められた素晴らしいメッセージを見逃してる人が多いかもしれません。

 シーシュポス見た方は、ぜひ思い出してください。

 公園で、現在形のシグマ(ヒゲはやしたダメシグマ)がもう生きていくのもムリ・・・みたいになってるところをソヘパパに発見されて、「ん?この後どうなるのか?逮捕するのか?殺すのか?」的な方向で思った人多いと思うんですけど、なんとソヘパパがシグマに、そっと優しく上着をはおらせてあげるわけですよね。

 人の優しさに初めて触れたシグマの表情が映し出され、その次の瞬間に、未来のアップローダーがギギギッと停止し始める映像が挿入されます。

 つまり、「シグマが死んだから未来が変わった」わけではなくて、「優しさに触れたシグマが生まれ変わり始めた」から未来が変わったわけです。

 これ、「未来を変えるのは優しさだ」っていう、素晴らしいメッセージだと思うんですよね。

 ・・・ここで一つ、言葉のマジックをお目にかけますが、いま書いた

 「未来を変えるのは優しさだ」

 というフレーズ、次のようにも書くことができます。

 「優しさだけが、未来を変えることができる」

 どう? けっこう印象違うでしょ?

 「シーシュポス」のドラマのメッセージとしては、下のほうがよりシャープかな、と思います。(だってそれまで何回繰り返してもダメだったらしいですし、それまではいつも「シグマを殺す」一点張りでの勝負だったのでしょうから。)

 「優しさだけが未来を変えることができる」って、ドラマのメッセージとしては最高に素晴らしいメッセージだと思いませんか?

 みんな、なるべく優しい言葉を選んで喋ろうよ。そのほうが人生楽しいよ? 分かりあえることも多くなるし。

シーシュポスの最終回について、もう一度、少しだけ

 シーシュポスの最終回については、いろんな議論がありまして、あの飛行機のシーンは「夢の中」とか「死後の世界」とする見解が主流のようです。

 まあ、もちろんそれはそれでアリかと思うんですが、せっかく16話に渡って世界観と設定を繰り返し提示されてるわけですから、その世界観と設定の中で解釈したほうがよりリアルかな、と思ったりもしてます。

 であるならば、それまで一度も「死後の世界」とか「夢の中」のような世界観は出てきてないので、あのドラマの設定と世界観と『描かれてない可能性のあること』を合わせると飛行機に乗ったソヘ&テスルは現実に生きていて、あの教会の後に乗ったはずだ、と僕は思っています。詳細は「【ネタバレ】シーシュポス最終回:謎解き完全解読」のエントリーに記述していますので、ぜひ!興味本位でご覧ください笑

 まあ、そういうことで、閉塞感に満ちたいまの世の中を一気に変えるのは、なかなか難しいんですが、一人ひとりがそれぞれちょっとずつ「優しい言葉」で喋るようにしたら、未来を多少は明るい方向に変えていけるんじゃないかな? すくなくとも自分とその周りぐらいはね。

 ・・・・・あれ?最後、なんか文章が村上春樹みたいになっちゃってない?笑

 

 

【笑える?】全くダメな人列伝①/そりゃないよ、候補者さん・・・

 1月にブログ始めて以来、ここまでたいして記事も書かず、旧ツイッターとの連動もせず、ブログランキングにも参加せず、自分の書いてることを少しは世の中に広める気があるのか??という感じで進めてきておりますが、もうすでに承認欲求というものがほとんどないため、この調子でどんどん書いていこうと思います笑

 まああれだよね、ほぼボケ防止笑

 文章書かなくなって7〜8年経つけど、まだ全然書けるなー、、、と自分で確認できれば大丈夫!笑

新シリーズ『ダメな人列伝』を開始します笑

 これまで60数年間生きてきたため、当然のことながら素晴らしい方にもたくさん出会いましたし、『ダメすぎる人』にも数限りなく出会ってまいりました。そんな方たちの中から厳選して、彼ら彼女らの『ダメすぎる』肖像を文章でお伝えしていこうと思っております。・・・でもまあ、絶対に、誰のこと書いてるか特定できない範囲でね。(できるわけないけど)

 人類二分法によって世の中の人を『ダメな人』と『いい人』に二分すると、不思議なもので、それぞれお互いに「相手陣営」のことを『なんてダメなんだ!』と思っていたりします。もちろん、何が『ダメ』で何が『いい』のかはかなり相対的なものなので、この溝はなかなか埋まりません。SNSなどでは文字だけのコミュニケーションなので、そういう相違と溝がかなり鋭いものになってしまって、後戻りできないほどに対立が深まったりします。

 で、僕はすでに誰とも戦いたくないので、「笑い事じゃないけど、できれば笑いたい」ぐらいのスタンスで書いていこうと思っております。

もう昔のことだから書くけど、30数年前、とある区議会選挙にて・・・

 今から35年前、若くて前途有望(自称)だった僕は、東京で広告の制作会社にて、ディレクター兼コピーライターというポジションで仕事をしていました。(いまの若い方にはとても信じられないことだと思いますが、当時広告の仕事はとてもかっこよく見えてたんです!!!)

 で、あるとき事務所の社長から、東京都の区議会議員選挙に新しく立候補する候補者さんの、

 「選挙用のポスターと支援者に配るリーフレット作ってあげてよ」

 と指示があり、まあ社長が持ってきた仕事なのでろくなものではないだろうと思いながらも「拒否する」という選択肢はないため、受けたわけです。なんか、議員さんの秘書やってた方らしい。

 で、その新人候補者さんとの打ち合わせの日時が設定され、彼はその時間どおりに我が事務所へとお越しになりました。ご到着されたときの第一印象がとても素晴らしく、まあ本当にその時の彼の晴れ晴れとして屈託のない、誠実そのものといった笑顔が今でも忘れられません。

 こちらもとても晴れがましい気持ちでさっそく打ち合わせに入ったのですが、当然のことながらまずはスケジュールの確認から入ることになります。

 「納期はいつ頃ご希望ですか?」

 僕の問いかけに、なぜか、彼の晴れ晴れとした表情は一気にどこかへ飛んでいきましてですね、、、どういうわけか、とてもズルそうな上目遣いで僕のことを見ながら

 「うん、一週間後の集会で使うからその時までにほしいんだよね」

 ん? ・・・聞き間違えた?? ・・・いやあの、(当時の)印刷物は一週間では絶対に出来上がらないので、それはちょっと難しいですよ??? ・・・とお伝えしたところ、彼はさらにズルい目に威圧を込めながら

 「いやー、そこはなんとかしてほしいなー? 社長から聞いてないの? え? 間に合わせてよ」

 んー、完全に雲行き怪しいな、これ・・・笑 しかもなんかタメ口装った命令口調だぞ・・・笑

そのスケジュールのことぐらいで驚いてはいけなかった笑

 まあ、当時はデジタルではなかったので、印刷物作り上げるにはコピーライターが全体の構成考えて文字原稿作ってデザイナーがそれをデザインしてそこで一回クライアントにデザイン案見てもらって写真植字の職人さんが写植を打ってそれをフィニッシャーの人が版下にして出来上がったものを校正して校正紙をクライアントに見てもらって直して印刷所に入れる・・・以下、印刷会社でも同じぐらいの回数の工程を繰り返す・・・という、非常に冗長で時間のかかる作業だったわけです。

 したがって、発注を受けて一週間後に印刷物として仕上がるためには、もう僕はその日のうちに原稿全部書き上げないといけないし、それを受けてデザイナーは明日の朝までデザイン上げて、それでもはたして間に合うのか、どーすんだこれ?みたいなスケジュール感です。

 まあ、制作会社から印刷会社まで、関わる人全員確実に徹夜必須・・・マジか・・・嫌だ・・・

 だからこういう場合は「取材最重要!!!」でして、発注者への取材がかなり深いところまでできれば、まああとはそれをどう展開してどう構成していくかなので、かなり時間を稼げます。場合によっては、発注者側の言葉をそのままコピーにできることも多々ありますからね。で、僕は気持ちを素早く切り替えて、乾坤一擲、ならやってやろうじゃないか!ぐらいのポジティブさで、こう聞いたわけです。

 「では◯◯さん、さっそくですが、立候補にあたっての『公約』といいますか、『政策』についてお伺いできますか?」

 良い質問だよね。だってなにしろ選挙用のポスターとリーフレットなんだから。逆に言って、それ以外に聞くことないわ笑 そして、僕のその質問に対して、彼がノータイムで答えた内容が、一言一句次の通り!

 「え? 政策??? いやーそれはさ、だいたいでいいですから」

 ん???

 俺また、なにか聞き間違えた? いや、なんか彼、俺に対して「なに言ってくれちゃってんの?」みたいな顔なんだけど??? え? でもさっきのも聞き間違えじゃなかったし?? そもそも「だいたいでいい」って、、、なんすか??

重ねて聞くとキレ気味になった・・・さすが政治家の卵・・・笑

 その時の僕の頭の中では、「政策がない」などという事態は全く想像もつかないアサッテの方向だったため、ついつい重ねて聞いたんですよ。

 「いや、ですがあの、政策はお聞きしないと僕も原稿作れないんですけど・・・」

 彼は、「重ねての問いにはキレてみせる」という昨今の政治家仕草を、そのときからはっきりと身につけてましたね。僕のその言葉を聞いた途端に、「6割ギレ」ぐらいの表情を作って、僕にこうおっしゃったわけです。

 「いやだから、こういうことはあなたの方が文章のプロでしょ??? だいたいでいいからうまく書いといてよ!! だいたいでいいんだからさあ」

 僕のほうが文章のプロだから「彼の政策と立候補にあたっての公約」を書けるというう理屈がそもそも僕の頭では全く理解不能なんですが、あまりに理解不能すぎた故に35年経った今でも、ほぼ一言一句そのまま再現できるという・・・笑

 それにしても、肝心の『政策』『公約』についてひとつも聞けないとは・・・笑

 政策も公約も、影も形もないんっすよ笑 ヒントすらないんっすよ笑 つまり、一介のコピーライターである僕がでっち上げるしかないんですよ笑笑

僕の書いたデタラメ公約で選挙を戦った彼は・・・?

 その当時、ある程度真っ直ぐに仕事をしていた僕は社長に事情を話して、「この仕事できません、無理ですよ」と直言しましたが、まったく社長は意に介さず、笑いながら「いやまあ、なんとかしてあげてよ笑」・・・

 で、しょうがないから、すぐ制作進行しないと納期守れないので、書きましたよ、選挙公約。「だいたいでいい」というオーダーだったので、「環境」とか「女性の働きやすさ」とか「皆が誇れる住みやすい街」とか、「だいたい」どんな政治家も言いそうなことを5項目ほど笑

 リーフレットではそれだけじゃなくて、少しはそれぞれの項目を展開して深く書かないといけないので、書きましたよ、ワタクシが笑

 で、僕の書いた『政策』と『選挙公約』を引っさげて区議会選挙を戦った彼は、いやー、見事にぶっちぎりでのトップ当選となりました!

 これ、話の流れから言って、まるで僕の書いた公約とか政策が素晴らしかったみたいな感じでしょ? いやいや、まさか笑 ぜんっぜん、そうじゃない笑

 ポスター用の顔写真が、とにかく素晴らしかったのよ!

 もちろん、僕がカメラマン手配して撮影したんですが、仕上がったポスターを見たら、いやいや、彼は本当に晴れ晴れとして屈託のない、誠実そのものといった素晴らしい笑顔で写ってらしたんですねー笑 ・・・そうだった、彼はこの顔でうちの事務所に入ってきたんだった・・・ その素晴らしい笑顔の力で見事!トップ当選・・・・笑

 この彼が、どの政党でどこの区議会選挙に立候補したかは絶対言いませんが、6〜7年前に一度ふと思い出して、当該区議会の議員さん一覧をHP調べたんですけど、彼まだ区議会議員やってましたね・・笑 長老になっとる・・笑

 以上、これ35年前の話ね。一応僕の体験談なので仮に「作り話でしょ?」と言われても「いやホントのことです」としか言えないんで、どう思うかはあなたのご自由に。

 ただ、現在の「議員先生」たち、政策とか公約について「一言もない」ような人がいないことを願いますが・・・

 ・・・いや、怪しいよね笑

 

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【韓ドラ】悪霊狩猟団:カウンターズ/なぜこの設定にリアリティを感じるのか

 悪霊狩猟団カウンターズは、シーズン1もシーズン2もとても面白くて、大好きなドラマの一つです。

 ただ、この作品のタイトルは全く「僕:高齢者男性」をターゲットにしたものではないですし、したがってその戦略通り、僕は本作に最初からまっっったく興味もなかったし、サムネイルの画像見てもまるでそそられるものがなかった笑

 ほんと、何がきっかけで観始めたんだったかな・・・?

 たぶん、ユ・ジュンサン氏が出てるのを知ったからかなー?

 ユ・ジュンサン氏、言わずとしれた『環魂』のパク・ジン役の俳優さん。『環魂』大好きだし、パク・ジン大好きだったから、なんか見るものもないしテキトーに暇つぶしに観てみるか、ぐらいだったんですが、観始めたら抜群に面白かった!

 しかもタイミングも良くて、シーズン1を完走し終わって1ヶ月経たないうちにシーズン2が配信になったので、こちらも配信即完走で堪能しました。

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ダサダサの赤いジャージ着て全力振り絞る人たちへの共感

 『ザ・グローリー〜輝かしき復讐』の記事で、ドラマのリアリティについて少し書いてみたんですが、『ザ・グローリー』にはまったくリアリティを感じず、したがってあまり共感もできなかった僕が、なぜこの『悪霊狩猟団:カウンターズ』にはリアリティを感じ、大きく共感までしてしまうのか・・・

 だって悪霊狩猟団は、設定としては ①事故などで死にそうになった人が天の世界とのある契約によって生かされて ②悪霊を感知する能力だとか悪霊と戦う不思議なスーパーパワーだとかを授けられ ③人間の世界に紛れて、人を殺し魂を食べて強くなっていく「悪霊」たちを相手に ④ダサダサの赤いジャージを着て不思議な力を駆使して戦う

 という、まったくリアル感ゼロの設定なんですけどね笑 でも、ドラマにはやはり凄いリアリティがあるし、没入感もかなり高くなります。だからもちろん、すごく面白い。

 今書いてて分かったんですが、この設定、完全に漫画ですよね。(原作がウェブトゥーンなので当たり前ですけど笑)・・・で、僕は60代ですけど、おそらくこの国における「漫画をかなり読んで育ってきた」最初の世代です。少年ジャンプは社会人になってすぐの頃から30代前半まで毎週買ってましたし。スラムダンクとかドラゴンボールとか、リアルタイムに連載時に読んでた世代ですから。ゴルゴ13なんか高校生の頃からそうとうしつこく読んでます。

 だからまあ、漫画設定を受け入れる基礎体力はガッチリ出来てるわけです笑

 そしてその上で、このドラマの「リアリティ」を支えているのは、「歯を食いしばって全力で頑張る人」への応援と共感だと思うわけです。少年ジャンプの雑誌コンセプトが「友情・努力・勝利」であることは有名ですが、これはやはり、ある層の人たち(例えば僕)にとって訴求力強いわけですね。

 本作では、強すぎてちょい無理めな敵相手に、全力を振り絞って戦いを挑んで、ほぼほぼ負けそうになりながら最後はみんなの力で勝つ、という黄金の展開が用意されています。その間にかなりコミカルなシーンやセリフ回しもたくさんあるし、主人公たちがみんなキャラ立ちしてるので、まあほんとに一気に楽しめる作品でした。

人生においては、全力を振り絞る必要がある場合もある

 僕ぐらいの年齢になると、「全力で頑張ればたいていのことはうまくいく」わけではないことも知ってますし、「願いはきっと叶う」わけではないことも知ってます。もちろん、「努力はいつか必ず報われる」わけではないこともよく知ってます。

 そうでありながら、「全力で頑張ること」がどれぐらい大切なことかも、身に沁みてよく知ってます。それはなぜなら、「全力で頑張る」とか、「強く願い続ける」とか、「そのために努力を続けていく」と、それが叶う場合もたくさんあるからです。

 まあ、努力をしても報われない場合と、努力をした分報われる場合と、それがどれぐらいの比率になるのかは人によるんでしょうけど、問題はそこの勝敗じゃないんですよね。人生とは「誰かとの勝ち負け」ではないし、「何を成し遂げたか」でもありません。「どんな道を歩いてきたのか」が人生なんです。

 だから、全力を振り絞ったことのある人は、いい人生です。

 全く思いもよらぬことで、全力を振り絞ることを余儀なくされるような場合もありますしね。

 まあ、少しうがった見方になるとは思いますが、本作は「全力で頑張る」ことの大切さと素晴らしさを、メッセージとして出してしているような気はします。全力で頑張るって、余裕ないですし、必死ですし、だからカッコ悪く見えたりしますよね。あの「ダサダサの赤いジャージ」は、そうした、「全力で頑張ることのカッコ悪さ」を象徴したようなコスチュームなんじゃないかな、という気さえします。

 でもどうでしょうか、観ているうちにあのクソダサい赤ジャージが、かっこよく見えてきたりするじゃないですか!それはなぜか? 考えるまでもない、彼らカウンターズのやっていることが文句なしにかっこいいからですよね。

 人から見るとどんなにかっこ悪く見えるとしても、「全力で頑張る」ことのほうが、最後にははるかにかっこいいんです。

俳優さんを追っていくのもドラマの楽しみの一つ

 冒頭書いたとおり、本作は『環魂』のユ・ジュンサン氏きっかけで観始めた作品でした。たぶん、彼が出てなかったら見ることのなかった作品です。(なにしろタイトルが子供向けでしょ笑)

 で、本作で観たキム・セジョンさんがすごくクールでよかったので、1話めで離脱してた『社内お見合い』を再度観始めて完走しました。社内お見合いも普通に面白かった笑 というか、キム・セジョンさんとソル・イナさんが可愛いすぎた!!笑 これも、カウンターズ観てなかったら多分離脱したままだったかも。

 あと、ウ・ヨンウを観てたので、「あんなに素敵な優しい上司だったのに!!!!!」と泣き笑いをしながらシーズン2を楽しめました。シーズン2には「ザ・グローリー」でヤク中だった画家役のキム・ヒオラさんも出ていて、この人も良かったなー。もう、キム・ヒオラさん良すぎて、お願いだから百想の助演女優賞あげてほしいと思ったほど笑

 そのほか、シーズン1で怖い怖い悪霊役で出てたイ・ホンネ氏が、「キムサブ3」ではオドオドとして自信のないレジデントの役でレギュラー出演してて、それに気づいたときは「えーーーー!あんなに怖い悪霊だったのにー!!!!」・・・と、韓国ドラマ周遊券で人生を満喫している今日この頃です笑

 

★ドラマの得点 11点★(ドクター・プリズナーを10点としたときの評価です)

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