もうだいぶん前に見た作品だけど、「ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜」は、ドラマのリアリティについて考えさせられる作品でした。
「リアリティ」とはもちろん、「僕にとってのリアリティ」です。それは、僕がこれまでの人生で経験したことや感じたことに全面的に依存するわけですから、「あなたにとってのリアリティ」とはかなり違う、ということが前提となります。それをあらかじめご了承いただけますと幸いです。
ドラマのリアリティを支えるものって、なんだろう?
ドラマのリアリティを考える際に、「空を飛ぶ超能力を持つ人」が出てきたり、「悪霊を退治する、ダサめの赤いジャージを着たおばさん達」が出てきたり、あるいは「19回生まれ変わったり」という、【ありえない設定】が出てきたときに、「いやそれ全くリアリティないじゃん」と感じてしまう場合、楽しく見られるドラマの幅がかなり狭くなってしまうので気の毒だなあ、と思います。
だって、ドラマってまず設定ありきですからね。
999歳の九尾の狐が超絶顔面天才だったりとか。主人公クラスのキャストは、敵がどんなに機関銃を打ってもほぼ命中しないし教授はほとんどすべてを見通してるとか。子供の頃に交通事故にあった財閥の御曹司はスーパーイケメンで仕事も完璧とか笑 書けばキリがない笑
上記、分かる人は分かるそれぞれのドラマ、僕はどれも没入感マックスで楽しんだ作品でした。
いっぽうで、「トランシーバーで過去からの声が聞こえてくる」とか「サイコパスな童話作家」とかは、僕には全くリアリティが感じられず、途中離脱になってしまってます。どちらも名作の評価が確定してる作品なのに。あと、「幽霊たちが利用するホテル」も途中で諦めちゃった。・・・IUちゃん大好きなのに笑
こう考えると、「作品のリアリティ」は、出てる俳優さんの好き嫌いじゃなくて、演じてる役柄の好き嫌いにけっこう左右されるのかな、という気がします。あとは作品の描く世界観が好きか嫌いかですよね。うーん、そこが大きいのかな?
まあ、人生の大半のことはだいたい「好きか嫌いか」で決まるんですけどね笑
「ザ・グローリー」はヨンジンの演技を楽しむドラマだった
で、残念ながら「ザ・グローリー」は僕にとってはリアリティがまったくなくて、まあ高評価多いから完走してみた、という感じになってしまいました。
わりとどうでも良い話になりますが、僕にはザ・グローリー並に「恨んでもおかしくない人間」が一人いまして、そいつのせいで仕事も金も社会的な微々たる地位もすべて奪われて、僕の人生は一旦ズタズタに引き裂かれ、ボロボロに壊されてしまったわけです。まあ、裁判を絡めていろいろ騙されたわけですが、本当に、普通の人間として普通に最低限の暮らしを営めるように立て直すまで10年かかりました。
その10年は本当に本当に大変で、あいつのことを恨んでる余裕さえなかった。
当初は恨んで恨んで必ず復讐してやりたい、と一瞬思ったんですが、そのようなマックスにネガティブな感情を抱えながら生きていくのって、本当に苦しいんですよ。自分がどんどん駄目になっていくし、どんどん苦しさだけが増してくる。
そうなると、いみじくも「マイネーム」でピルト君が言っていたように、「人を恨んで生きると殺人鬼みたいな顔つきになる」っていうのは、本当のことなんです。恨みを抱えていると、ものすごい顔つきになってくる。
だから、ソン・ヘギョさんみたいに美しい顔のまま年齢を重ねていくことなんて絶対にできない、と身に沁みて知ってるので、その時点でもうドラマのリアリティが僕にとってはゼロなわけです。
あと、自分の人生を立て直すのに必死で、本当に、恨み続ける余裕なんかないんですよね。ここもまた、僕にはこのドラマの設定がまったくリアリティがなかった一因でした。
・・・とまあ、結局ドラマのリアリティって、その人の生きてきた人生にほぼ全面的に依存するんですね、という大したことのない結論となりました笑
まあつまり、僕はこのドラマのターゲットではなかった、というだけの話です。
このドラマで一番すごかったのは、やっぱりヨンジンの演技ですよねー!あれは本当に圧倒される演技と存在感で、イム・ジヨンさんがソン・ヘギョさんよりもかなり目立った作品だったように、僕には思えました。あれほど圧倒的な演技はそうそう見られるものではなくて、このドラマを面白くする大きな原動力だったんじゃないでしょうか。
「ペーパーハウス・コリア」でもイム・ジヨンさん後半に重要な役どころで出てきましたが、彼女が画面にいると存在感がものすごかったですからねー!もうね、顔がすごい笑
★ドラマの得点 9点★
(ドクター・プリズナーを10点としたときの評価です)
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