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【韓ドラ】支配種/全10話でサクッと楽しめる、近未来SFサスペンス

 Disney+に1か月だけ再入会したのでその間にハン・ヒョジュさん主演の「支配種」を観ました。理由はもうただ単に、ハン・ヒョジュさんが眉間にシワを寄せている表情を堪能したかったから・・・笑

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「支配種」の話の前に、ムービングのハン・ヒョジュさんを少し語りたい

 ムービングであれほど素晴らしかったハン・ヒョジュさん、百想ではノミネートにもなってなかったのが個人的にはかなり残念に思ってたんですが、最近「青龍シリーズアワード」という賞で主演女優候補にノミネートされたというニュースを目にして、おお、ハン・ヒョジュさんを見よう!という気分になったというわけです。

 それにしても、あの世紀の大傑作「ムービング」の大きな推進力としての役割を果たしたハン・ヒョジュさん。第1話はそもそも、ほぼ「ボンソクとチャン・ヒスの出会い、そしてボンソクの一目惚れ」が物語の大半を占めていて、スタートは学園モノ・青春ドラマっぽいんですよね。普通のドラマと少し違うのは「ボンソクは浮くらしい」ことと、「なんか怪力の男がFE急便の人に暗殺される」ということだけなんですが、それらは全く別々のこととして描かれています。

 ところが第1話のラストシーンで、ボンソクのお母さんがミシンの台をたたむと、裏側にはなんと拳銃が! そして、ただの「南山トンカツを切り盛りしてるだけ」に見えていたお母さんが、手慣れた手付きで拳銃をササッと掃除し、ジャキーンッと組み立て、ガシッと構えてカメラ目線で拳銃を狙う・・・というところで終わるんです。このシーンが物語全体のとてつもなく大きなフックとなっていて、「えええええ??????お母さん!!!!????」となって第2話へと誘導されるわけです。

 第1話のラストがあのシーンじゃなければ、第2話に進まずにあそこで離脱傾向になった人もけっこういるんじゃないでしょうか? 僕はそうなってた可能性が高いです。それだけあのシーンはとても印象的で、ハン・ヒョジュさんの少し思いつめたようなキリッとした表情も素晴らしかった! ドラマ史に残る名シーンの一つではないかとさえ僕は思います。

 今回「支配種」を観たのは、その表情をまた別の作品で見たかったからです笑

 ドラマを見るのに理由なんか何でもいいじゃないですか笑

苦悩するハン・ヒョジュさんの表情を堪能できて満足!ちなみに、チュ・ジフンさんファンの方にもおすすめです。

 というわけで、ドラマは近未来SFサスペンスで、ハン・ヒョジュさんはバイオ系企業のトップとして命を狙われている立場の役なので、終始眉間にシワを寄せた顔なんです。ムービングで見せてくれたような「少し思いつめたようなキリッとした表情」がふんだんに見られて、大満足しました笑

 ムービングでは、その表情は「最愛のボンソクを守るため」の表情なので、思いつめて覚悟を定めながらも、「どこかあたたかみの感じられる眼差し」だったんですが、本作では「極めて高い理想を掲げつつも、ワンマンで冷徹な社長」の役回りなので、「思いつめたきりっとした表情」が氷のように冷たいんです。演技力が凄いなー・・・素晴らしい!

 一方で、相手役となるチュ・ジフン氏。僕はこの人の出る作品、映画の「暗数殺人」しか観たことがないんですが、非常にエキセントリックな演技が印象的で、いい俳優さんだな、という印象を持ってました。

 本作では、彼は一貫して超クール。ほぼほぼ、笑いません。一見すると何を考えているかわからない表情に終始するんですが、それでも次第にハン・ヒョジュさん演じる社長への信頼を深めていく、という難しい役どころ。でも彼のファンの方なら大満足すると思いますよ。自宅で猫を飼っていて、猫に全く相手にされないシーンとかもあるんですが、彼はそんなときでもかなりクール笑

 先日ネタバレレビューを書いた「ビッグマウス」で、作品のことをけっこう「今までこんなに後半ダメ化した作品見たことない」みたいに書きましたが、でも結論としては「ユナちゃんたくさん見れて満足」だったわけです笑

 ドラマって、そういう見方があってもいいよねー、と思います。どっちみち、好きな俳優さんが出てても、ドラマが全くダメだと続けられない、ということが結構身に沁みて分かってるので笑、完走したということはソコソコ面白かったというわけです。

 蛇足になりますが、「ビッグマウス」のレビュー見てて、「イ・ジョンソク君は囚人服の着こなしもきれいだった」というのをどこかで見かけて「囚人服さえも『着こなす』のか!!!」と思ったんですが、でもドラマってそういう見方も全然ありです。当たり前ですよね♡

内容は、なかなかハードでスリリングな近未来SFサスペンス。面白いです。

 ドラマのあらすじは、ハン・ヒョジュさんが「安全で美味しい培養肉」を開発して製品化し、韓国有数の巨大企業となったBF社のCEO役。彼女は高い理想を掲げて仕事に邁進してはいるものの、一次産業の破壊につながったりもしているので、殺害予告がいくつも舞い込んだりする立場です。

 で、企業の未来をかけた新製品の発表会の日に、会社のネットワークがランサムウェアにハッキングされ、800億ウォンの身代金を要求されるところから物語は始まります。

 命を狙われているがために彼女は警護人を雇い入れる必要が生じますが、そこで厳しいテストをかいくぐって雇われたのがチュ・ジフン氏演じる役どころ。しかし彼は、ハン・ヒョジュさんのBF社に対して敵対感情を持つ「政府・財閥」が送り込んだスパイで・・・というストーリーです。

 ハン・ヒョジュさんのBF社は、実は「食料」の培養だけではなく、医療系のとてつもない培養を秘密裏にすでに成功させていて、しかも「政府・財閥」は薄々そのことを気付いており、その事業による莫大な利益を自分のものにしたい、というわけですね。

 そうしたベースの物語に、大統領の暗殺未遂テロの謎が絡んできて・・・というお話し。

 脚本家が「秘密の森」を書いた方だそうで、本作も展開的に「秘密の森」同様、一瞬「あれ?わかりにくい・・・難しいかも・・・」とはなるんですが、細かいこと気にしなくてもけっこう大丈夫です笑 そのままスーッと見ていけばいい笑 

 全10話と短く、そのわりに展開も多いので、わりとサスペンスを楽しめるドラマかな、と思います。ミステリー要素、サスペンス要素、アクションシーンもそれぞれバランスよく楽しめます。ラブ要素まったくなしなのも硬派でよかったです。

 ただ、「秘密の森」の脚本家が書いたとは言え、あの完成度は期待しないほうがいいかもです。やはり、10話に詰め込むには話が多すぎるかな。

★ドラマの得点 10点★(ドクター・プリズナーを10点としたときの評価です)

 ※ドラマとしては9点ですが、ハン・ヒョジュさんポイント1点プラスで笑

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